恋は雨上がりのように最新第73話の感想(ネタバレ含む)と考察。忘年会。加瀬、気持ちは分からんでもないが許さん。そしてあきら最高(笑)。

恋は雨上がりのように第73話 あきら
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第73話

第72話のおさらい

12月になり冬の寒さが厳しくなる。

吉澤に振られたが、ユイはそのショックを克服して活き活きと働いていた。

久保はそのユイに働きっぷりに惚れ惚れとし、吉澤にユイを見習って頑張れと発破をかける。

ユイを振った気まずさから立ち直れず浮かない表情の吉澤は、ユイに切ってもらっていた前髪が伸び、目にかかるほどになってしまっていた。

デパートで勇斗と食事をしていた近藤は、勇斗から徒競走で1番になったと報告されて驚く。

本人は、速いクラスメートの調子が悪かったと謙遜するが、あきらの特訓のおかげだと感じた近藤はデパート内の傘売り場に立ち寄る。

帰宅したユイを待っていたマイは、ユイに電話があったことを報告する。

ユイの学校はバイト禁止であり、バイトが見つかったユイは12月中にガーデンを辞める事になるのだという。
恋は雨上がりのように第72話 近藤とユイ
あきらはいつものようにフロアで働きながら、諸星の、リハビリは早いほうがいい、という言葉を思い出していた。
恋は雨上がりのように第72話 諸星
あきらにとって存在の大きかったユイはガーデンを去ってしまう。
環境が徐々にではあるが大きく変わっていく。

あきらは、小さな女の子にスマホの忘れ物を差し出されて客を追いかける。

いつかのように、走って追いかける事を躊躇して立ち尽くすその隣をバスが通りがかる。

バスの中には倉田みずきが乗っていた。

あきらに気付いたみずきはあきらが忘れ物のスマホを持って追いかけようとしていることを察知し、走れ! とバスの中から呼びかける。
恋は雨上がりのように第72話 充希みずき
窓が閉まっており、あきらの耳にはっきりとその言葉は届かなかった。

しかし、遠くなっていく客を背中を見つめ続けていたあきらの脳裏には、再び諸星の言葉がリフレインするのだった。

前回72話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

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第73話

夜、大雨の降る中アパートに帰宅する加瀬。

 

しとどに濡れ、疲れた様子の加瀬が玄関のドアを開けると部屋の奥から姉の珠子が加瀬に笑顔を向ける。
「亮ちゃんおかえりぃー」
その手にはビール缶。

 

加瀬は黙って姉をじっと見つめ、濡れそぼった服を脱ぎ始める。
そんな加瀬に珠子はタオルを用意すると言うが加瀬は、シャワーを浴びるから、と断る。

 

また振られたのか? と問いかける加瀬に、そういうわけじゃないけど、と珠子はそこから言い淀む。

 

濡れたシャツを脱ぎ、姉の様子を不思議がる加瀬。

 

シャワーを浴び、着替えた加瀬は珠子がテーブルに突っ伏して寝ているのに気づく。
「何しに来たんだよ…」
恋は雨上がりのように第73話 加瀬と珠子
 

加瀬は珠子の背中に毛布をかけた後、窓の外、雨の降る様子を眺めている。

 

「雨、やまないね。」
突っ伏したまま、珠子が呟くように続ける。
「亮ちゃん、ごめんね。」

 

ダメなお姉ちゃんだよね、と畳みかけるような珠子の突然の言葉に、加瀬はなんだよそれ、と珠子を一瞥して訝しがると、再び窓の外に目を投じる。

 

「もうここに来るのもやめるね…」

 

加瀬は珠子を直視せず、窓に映った突っ伏す姿を見つめる。
恋は雨上がりのように第73話 加瀬
 

「…だよそれ…」


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今年最後の営業日

ガーデン。雨が降っている。

 

12月31日は8時から23時までの営業時間で、営業開始は1月4日からという内容の紙が貼られている。
恋は雨上がりのように第73話 年末年始の知らせ
 

近藤が従業員を前に、今日、閉店後に恒例の忘年会をやると笑顔で伝える。
ユイの送別会も兼ねていると全員参加を促す。

 

高校生はタイムカードを押したら店が終わるまで待ってて、と言い、解散しようとすると勢いよくドアを開けて加瀬が事務所に入ってくる。

 

近藤と従業員の間をつかつかと無言で横切り自分のロッカーを勢いよく閉め、事務室からフロアに通じているドアから出て行き、やはり乱雑にドアを閉める。
恋は雨上がりのように第73話 加瀬とガーデン従業員
 

久保、吉澤、大塚で、きげんわる~、と声がハモる。

 

キッチン。吉澤の隣で大塚が料理を作りながら、ユイがいなくなると寂しくなる、とぽつりと漏らす。

 

皿を拭いていた吉澤は大塚から視線を外す。

 

「吉澤、いいのかよ?」
吉澤に話を振る大塚。

 

吉澤は内心ドキッとしながら、なんでオレっスか、と答える。

 

なんでってお前、と大塚は吉澤を真正面から見据える。
大塚の視線に耐え切れず下を見る吉澤。

 

どけよ、と吉澤に後ろから肩をぶつけて加瀬が通る。

 

そのあからさまに不機嫌な様子に吉澤と大塚がヒソヒソと加瀬の文句を言い合う。

 

レジで笑顔で客を見送るユイ。

 

ふと、フロアを見て真顔になるユイに、ユイちゃん、と呼びかける声。
恋は雨上がりのように第73話 ユイ
 

どうしたの? 大丈夫? とあきらが問いかける。

 

ユイは考え事をしていたと笑顔を作る。

 

今後バイトをやることになってもガーデンではもうしない。
そう思ったら、今日の様に働くのは最後なんだと言うユイ。
「さみしいのとは別に…不思議なキモチ…」

 

じっとユイの話を黙って聞いていたあきらは、ユイに「胸がときめくもの」の言い合いを笑顔で提案する。

 

「あたしからね! ”おぞう煮に入ってるユリの根”!」

 

次、ユイちゃん、とあきらに促され、ユイは、あきらが食べ物言うなんて珍しい、と笑う。


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忘年会

雨は降り続いている。そして夜。

 

事務所のテーブルにつきあきら、ユイがスマホを見てわいわいと会話をしている。

 

吉澤は盛り上がっている二人に背を向けて一人スマホをいじっている。

 

11時になり、事務所のドアが開く。
客が帰ったと久保が忘年会の開始を知らせる。

 

フロアのテーブルに並べられた沢山のメニューを前にすごい、とユイが歓声を上げる。

 

大塚は、追加で好きなものなんでも作る、とグッと親指を立てる。

 

久保も、デザートを自由に作っていいと笑顔。

 

ユイは本当ですか、ヤッター、と大喜び。そして、わーい、とメニューを開く。

 

近藤はラジオの電波を合わせている。あきらは近藤の作業を隣で見ている。

 

「次のリクエストはこちらの曲…スティングで『Brand New Day』」


(※クリックして曲を流しながら読み進めて行くと臨場感があって良いかも。)
 

曲が流れる中、わいわいと賑やかに時間が過ぎる。
恋は雨上がりのように第73話 忘年会
 

久保が、オフィスの電話が鳴ってないかと呟く。

 

近藤は、本当? と慌てて事務所に行く。

 

ラジオは年越しまで5分を切ったこと知らせている。

 

久保はユイが辞めたら寂しいし困る、とため息をつく。

 

ユイは困ったように笑い、ありがとうございます、と返す。

 

バイト禁止じゃしょうがない、と言う久保に、すみません、とユイ。

 

視線を伏せて浮かない表情の吉澤。

 

大塚はチキンに食いついている。

 

あきらがユイの隣から席を立とうとする。

 

今年はみなさんどんな一年でしたでしょうか、とラジオはカウントダウン前の盛り上がりを伝えている。

「あっ! カウントダウンまで1分を切りましたよー!」

 

ユイの対面に座っていた加瀬がフッ、と口元を歪める。
恋は雨上がりのように第73話 加瀬
「本当は、彼氏ができないから辞めるんじゃないの?」

 

カウントダウン5秒前を宣言するラジオ。

 

「5!」

 

あきらは加瀬から視線をユイに移す。

 

「4!」

 

ユイは何も言い返せず、下を見て顔を真っ赤に染める。
恋は雨上がりのように第73話 ユイ
 

「3!」

 

「お、おいッ!!」
加瀬の暴言を聞いていた吉澤が食って掛かる。
恋は雨上がりのように第73話 吉澤
 

「2!」

 

左手で頬杖をつき、余裕ぶっていた加瀬がふと何かに気づく。

 

「1!」

 

あ、とチキンを片手に大塚が声を上げる。

 

バキ!!!!

 

あきらが怒りの形相で加瀬の顔面に思いっきり正拳を突き食らわせる。
それを目撃した他の皆の目が点になる。

 

そのタイミングで、ポーン、という0時を知らせるチャイムと共に、ハッピーニューイヤーッ!! とラジオの盛り上がりが最高潮になる。

 

「わ~~~! 明けちゃった!?」
何も知らない近藤が満面の笑顔でフロアに戻る。
「みんなあけましておめでとー!!」

 

右腕を突き出したままのあきら。
恋は雨上がりのように第73話 正拳突きするあきら
 

ユイ、吉澤、大塚、久保が、あきら大丈夫!? と声を合わせる。

 

加瀬は天に腕を伸ばして完全にノックアウトされている。

 

近藤は何が起こっているのかさっぱり分からず、あれ? と呟く。

 

雨はいつしか雪になって街を静かに白く染めていた。

 

空になった皿やコップがテーブルに置かれている。

 

誰もいない静かなキッチン、そしてフロア。


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1月1日

コーポ白樺。

 

近藤はこたつで咥え煙草をしながら原稿用紙に小説を書き進めている。

 

集中している近藤の背後、ベッドの上に無造作に置かれた携帯がチカチカと光る。
恋は雨上がりのように第73話 近藤
 

あきらがスマホの画面から指を離す。

 

母親はリビングでテレビを見て笑っている。
バタン、と玄関のドアが閉まる音が聞こえて、あきら…? と呟く。

 

母親に黙って家を出たあきらの右手にはマフラーを入れた紙袋。
恋は雨上がりのように第73話 あきら
 

雪の降りしきる中、傘をさしたあきらがブーツで雪を踏みしめて歩く。

感想

まず、あきら最高! 正拳突きを練習してたのかってくらい強い。
拳を引かずに突き出したままってのは実に空手っぽい(笑)。

殴った瞬間のあきらの絵はぜひ雑誌で確認して欲しい(笑)。
あきらが友達思いでマジ惚れる。

 

加瀬は久々に嫌な奴モードが全開になったなぁ~。
いきなり珠子からもう来ないと一方的に切り出されたのには同情するが、ユイに何の罪があるというのか。

 

もう来ないと言われた後、珠子からその理由を聞いた上でここまで不機嫌になり、嫌な奴になってしまったのだろうか。

 

まだ同情できる余地はあるが、ユイに暴言を吐いたのは許さん。

 

とりあえず2巻以来下がりっぱなりだった加瀬株は5巻を境に上昇傾向にあったが今回また下がった。

 

でもこういう嫌な奴がいないと話が進まないんだろうなぁ。

 

とりあえず吉澤は良かった。
あきらが正拳突きをかます前に、吉澤が加瀬に食って掛かっていこうとしていた。
頭で考えた、というより感情が動いた感じが素晴らしい。男だね、と思った。

 

吉澤はユイを振って以来、明らかに元気がないけど、実はユイに気持ちが傾いていそうな雰囲気を感じ取ったのは自分だけか?

 

ユイを振ってから、ずーーーーっとユイの事ばかり考えていたらいつの間にか好きになっちゃった、みたいな感じ?

 

ユイは知らぬ内に吉澤のマインドシェアをすっかりあきらから奪い取ったんじゃないか。

 

とはいえ、じゃあ吉澤がユイに告白しても、ユイがすんなりOKするとは思えん。
多分振られるんじゃなかろうか。女性の気持ちが変わるのは早いよ。
振った女がいつまでも自分の事を好きだと思ったら大間違いなんだよ吉澤君(笑)。

 

そしてユイは吉澤から一本取り返し、意気揚々と次の恋に進めると(笑)。

 

吉澤は良い経験になるし、これはこれでひとつのハッピーエンドかもしれない。


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あと、最後にあきらが向かう先。
これは、素直に近藤の元へ行くと考えて良いのかな?

 

そうなるといよいよ次の話で、久しぶりにあきらと近藤の間が何かしらの進展を遂げそうな感じがする。

 

近藤はメールに気付いてなかったみたいだけど、まさかあきらを邪険にするなんてことはないだろう。

 

おそらく初詣に行く展開になりそうだけど、そうなったら大した進展はなさそう。

 

だから、近藤の部屋で真剣なやりとりが見たい。

 

久々にガチな恋愛シーンをお願いします。

 

近藤はもう小説を書く事が習慣化したようで自分を取り戻しているように見えるけど、あきらが陸上に復帰を決意するか、そして実際に復帰出来るかはまだこれから。

 

次回はお互いに、近藤は小説を頑張る、あきらは陸上を頑張る、という決意表明をし合うのも爽やかでいいなぁと思う。

 

なんだか、近藤とあきらは恋仲にはならないような気がするなぁ。
そして物語の終わりは近いと思う。

 

今の状況としては、二人は両想いだという事ははっきりしている。
あきらは近藤に恋してるし、近藤もまたあきらの事が好きなんだと気づいた。

 

あきらはかなり真剣に近藤にアプローチしている。
かたや近藤はあきらと恋仲にならないよう理性を保ち、一時期はわざと避けたりしていた。
最近はそんな無理をすることもなく、小説を書くことを再開してからはあきらへの気持ちが割と自然に抑えられているように見える。
まるで小説を書く事であきらへの想いを昇華出来ているような印象を受ける。

 

近藤が小説を書き始めてから、自分は何となくあきらの恋が実らないような気配を感じ取った。

 

あきらはまだリハビリに目が向いた程度だが、今後頑張って陸上に復帰するだろう。
そうすることであきらもまた近藤が小説に一生懸命なのと同じく、陸上に必死になることで近藤への想いを昇華できてしまうのではないか。

 

これまで、近藤は小説、あきらは陸上、と二人はそれぞれ自分にとって大事なものをお互いにやりとりする中で取り戻して来た。

 

この二人の関係は、それで良いと思うな。
とても素晴らしい出会いであり、物語だったと言える。

 

この漫画が始まった時は、二人は早々にくっついて世間の目と戦うのかな、とも少し思ったけど、そんなハードな展開は無いだろう。
だって、ここまで構築されてきたこの作品の作風に合わない。

 

次回第74話で、近藤とあきらがくっつかないであろうことがはっきりわかるんじゃないかとドキドキしている。

 

次が楽しみ。

 

以上、恋は雨上がりの様に第73話のネタバレを含む感想と考察でした。

 

次回74話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

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