第12話
加瀬はあきらに興味を持っていた。しかし近藤に全力で恋しているあきらは加瀬に全く興味がない。しかしそんなあきらが加瀬に弱みを握られてしまう。
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加瀬という男
サイッテー、という罵倒とともに派手に殴られる加瀬。
その様子を見て、片手を上げて、にこやかに加瀬に駆け寄って来る男友達。
からかってくる加瀬の男友達に、さすがに彼女の友達に手を出したのはまずかった、と事も無げに言う加瀬。
家庭教師のバイトを時給がいいからと勧めて来る男友達に、加瀬は、既にファミレスでバイトしていると答える。
これだけで加瀬がどういう男か分かる。大学も良いところっぽいし、頭が良いんだろう。
加瀬が出勤すると近藤がデスクで電話先の相手に謝っている。
ロッカーを開ける加瀬。
近藤は電話を切ると、加瀬に振り向き、いい加減髪の毛切って、と言う。
加瀬は笑顔で次切ってくる、と愛想よく答える。
前もそう言ってたよと言う店長。
(いつもペコペコ頭を下げてるしょうもない店長に、)
キッチンに出る加瀬。
吉澤が大塚に向かって驚いている。
給料全部スロットですった、と話す大塚。
(レベルの低い同僚たち。)
吉澤と大塚を見ながら内心彼らを見下す加瀬。
(経験の幅を広げるためにこのバイト選んだけど…そろそろやめよっかな。)
バイトを経験の幅を広げるために、という理由で選ぶということはやはり色々考えていて賢い男だと思う。
ただ、その裏返しとして人を見下すのは良くないと思うが……。
電話先は大学の男友達。家庭教師のバイトについて質問している。
事務所から出てくるあきら。加瀬をじっと見ている。
加瀬はあきらの視線を不思議に思い、自分が洗面台を占拠していることに気づく。
手でごめん、とサインをつくりながら洗面台の前を離れる加瀬。
あきらが洗面台で手を洗う。その様子を加瀬はあきらの背後から見つめている。
あきらは加瀬の視線に一切意識せず、前髪を直している。
フロアに戻るあきらを加瀬は目線で追っていく。
加瀬は家庭教師先の高校生はかわいいのか、と問い、男であること知ってその話はナシ、と声を荒げる。
ヤなシーンだと思う。デートで浮かれてるあきらに冷や水ぶっかけないでほしい。
やはり高校生は女子だろう、男はなし、としみじみ思う加瀬。
「橘ちゃーん まかない何にするー?」吉澤にぶつかりながら加瀬があきらに問う。
あきらは、あきらが前髪を気にしてると凹む、と泣くユイと楽しそうに話していた。
加瀬の言葉に振り向くあきら。いつものようにサンドイッチを頼む。
了解と言う加瀬。ユイはチャイムに反応して客の元へ。
サンドイッチを作る加瀬。
作業をしながら、あきらの顔をじっと見ている。
(橘あきら、高校2年生。)
(年の割りに冷めてて、基本、無表情。)
加瀬は、あきらの表情が無表情から変化してくのを目の当たりにする。
「橘ちゃん、サントイッチできたよ。」加瀬は皿にのせたサンドイッチをあきらに差し出す。
ありがとうございます、とお礼を言うあきら。加瀬は何気なく、あきら見ていた方向に視線やる。
そこには何もない。
(何見てたんだ?)加瀬はさきほどのあきらの表情を疑問に思う。
「あの、加瀬さん。」あきらが加瀬に声をかける。
ん? とあきらを見る加瀬にコレ、とあきらは皿の横に盛られたバナナホイップを指す。
「ああ、それね、サービス」
あきらは加瀬に視線を移すことすらせず「どうも。」とひとこと言って事務所に行く。
(ア・イ・ソ、ね~~~)あまりの愛想のなさに脱力する加瀬。
加瀬には観察眼がある。こういうところは見習うべきかな。
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加瀬にバレた
教科書をめくるとあるものを見つけて顔が赤くなる。
あきらは、近藤のいつも座っているデスクに視線をやる。
(あと…8日)
デートまでの日にちを指で数えるあきら。
そこに加瀬が入室してくる。
お疲れ、とあきらに声をかける加瀬。
お疲れ様です、と返し、立ち上がるあきら。
「あれ。もう、休憩終わり?」
「ハイ」加瀬に対して素っ気ないあきら。
嫌いなわけじゃない。嫌いな相手にサンドイッチは頼まない。ただ、まるで意識していないだけ。
あきらにとって加瀬は、吉澤と同レベルで興味が無い男なのだろう。
興味の無い男は全く相手にしない。
女性なら多かれ少なかれ持ち合わせている性質だが、素直なあきらは特にそれが顕著なのだと思う。
その分、好きになると近藤に対してしたような真っ直ぐな好意の示し方をする。
「勉強してたの?」
「はい……テストあるんで…」
加瀬は、教科書なつかしー、と言い、見せて、ダメ? とあきらに言う。
別にいいですけど、と加瀬に教科書を渡すあきら。
見終わったらそこに置いておいて、と加瀬に言い残し、フロアに戻るあきら。
何気なく教科書をパラパラ眺める加瀬。視界の端に何かをみつける。
「ごちそう様でした。」と食器をキッチンに戻し、チャイムが鳴るのを待っていると、ハッ、と気づき、事務所へ駆け込む。
加瀬は教科書をじっと見ていた。
加瀬が教科書からあきらへと視線を移す。
開いた教科書をあきらに見せるように掲げる。
「ダメじゃん、授業中にラクガキしてちゃ。」
開かれたそのページには店長とあきらの相合傘と店長の顔のラクガキがある。
まずい、という表情になるあきら。
「……誰にも言わないでもらえます……?」
別にいいけど、と煙草に火をつける加瀬。
「そのかわり、俺とデートしてよ。」
勝ち誇ったように要求する加瀬。
理解しがたい要求内容に一瞬驚き、あきらは微妙な表情で「はい?」と加瀬に返す。
あきらも運が悪い。
貸した教科書が落書きをした現国以外だったら……。
店長が好きなことを、よりによって、一番知られてはいけないタイプの男に知られてしまった。
弱みに付け込んでデートに誘うとは……。
でも結局、こういう、女に相手にされなくても関係性を持とうとするやつが最終的に女を落とすんだよね。あー気分悪(笑)。
以上、恋は雨上がりのように12話のネタバレ感想と考察でした。
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