第63話
第62話のおさらい
休憩で事務所に入るあきら。
その手にはコーヒーの二つ載ったトレイがある。
コーヒーの内ひとつをデスクの近藤に差し出すあきら。
近藤は笑顔で受け取る。
そこへ近藤の携帯に着信が入る。
慌てて立ち上がり、事務所を出る準備をし始める近藤。
あきらが問うと、青ざめた近藤が勇斗が交通事故に遭ったと答える。
慌てて出て行こうとする近藤に、ロッカーから折り畳み傘を出して渡そうとするも近藤は車を発進させていた。
病院に着いた近藤を待っていたのは平気な様子の勇斗、そして付き添う元妻のみどりの姿だった。
走るのが早くなったのがうれしい勇斗が走っていたら、女子高生の乗っている自転車と接触したのだという。
車ではなくてほっとした近藤。
久しぶりに会ったみどりと会話し、ガーデンに戻る。
ガーデン店内のテーブルを拭く手を止めて、窓の外の降り注ぐ雨を見ているあきら。
ケガをした右足の踵を上げている。
あきらが事務所で休憩をとっていると、近藤が戻ってくる。
勇斗は大丈夫だったか、と問うあきらに近藤は大丈夫だと答える。
勇斗くん一緒じゃないんですか? という問いにむこうの迎えが来てた、と答え、気まずくなるのを避けようと勇斗が走るのにハマってると明るく言う近藤。
その言葉に、勇斗を特訓していたあきらは、えっ、と驚く。
その様子にまずいと思った近藤はあきらをフォローしようと必死に言い訳をする。
言い訳を終えてテーブルに両手をつけて立ち尽くしている近藤の手元のコーヒーに気づいたあきらはそれを回収し、新しいものを入れなおすと踵を返す。
近藤はそのあきらの後姿をじっと見つめていた。
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第63話
できたー! というユイの叫び声が響く。
あきらの部屋であきらとユイがテーブルを挟んで向かい合って編み物をしている。
ユイは涙を浮かべてマフラーを抱きしめながら「クリスマスまでに間に合った」と喜びを噛み締める。
あきらは笑顔でぱちぱちと拍手している。
一時は間に合わないかもと悲観的になっていたけど、見事に完成出来て良かった。
すごい喜びようでかわいい。
クリスマス前に渡しちゃおうかな、と呟く。
あきらが驚く。
ということは、と言うあきらに、告白することも、と続けるユイ。
一瞬の間のあと二人の部屋から「きゃあーっ」と嬌声を上がるのを、盛り上がってるな、とリビングで聞いているあきら母。
どう思う? とユイに問われ、戸惑いつつも、伝えたい時に伝えた方がいいと思う、と答えるあきら。
ドキドキしている二人。
あきらの返事を聞いて、少しの間のあと、ユイはクリスマス前の告白を宣言する。
見つめ合う二人。
再び「きゃー」という声が部屋から上がる。
あきら母は笑顔で、楽しそうだこと、とコーヒーを入れながら聞いている。
超盛り上がる二人。
こういうとことはやはり若い女の子だよなぁ。
全く動じないあきら母の態度もいい。
告白する時のファッションを考えてワクワクしているユイを、バイトが無いから桜木町に行こうとあきらが誘う。
あきらとユイはヘアアクセサリーを見ている。
ニコニコしながら眺めているユイはリボン型のヘアアクセサリーを頭に添えてみる。
(吉澤くん、どんなのが好きなんだろう…)
あきらがアクセサリーを手に取っているのを見るユイ。
これとか可愛いなって、と手に取っていたヘアアクセサリーを見せるあきら。
ユイは、かわいい、と同調するが、自分よりあきらの方が似合いそうだと続ける。
「ブルーのティアドロップのストーンってあきらちゃんっぽいよね。」
あきらは、自分の趣味で選んじゃった、と謝る。
もっとフワフワしたのがにあいそう、とあきらは他のアクセサリーを探し始める。
ユイは、あきらの選んだ青い涙型の石のついたアクセサリーを眺め、これにする、とあきらに告げる。
え、とユイに振り向くあきら。
でも、というあきらの言葉を遮るように、笑顔のユイがたまにはこういうのも良い、と礼を言う。
あきらは、うん…、と意外そうな表情でユイに返事をする。
ユイの行動は、あきらの力を借りるというか、一種のおまじないに近い気分なのかも。
自分は一人ではない、あきらの助けを借りている。
少しでもいいからこれで告白の成功の可能性が高まったのだと信じたいのかなと思った。
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どこかで…と怪訝そうな表情をしている。
あきらも匂いに気づき、ユイの言葉の意味に思い当たる。
「店長のクサイやつ!!」とユイが叫ぶ。
男性用の化粧品が並ぶ棚の前に来た二人。
「これだよ! 店長のにおいだよ~」
くさいっ、と何の迷いもなく確信を持って宣言するユイ。
ヘアトニック? と、短くユイに問うあきら。
ユイは、そーそー、と食い気味に答える。
あきらは、手の中のヘアトニックを見つめている。
ユイが言ってたクサイ、というのはヘアトニックだったのか。
とりあえず近藤さん。加齢臭の事じゃなかったようで良かったね(?)。
あきらは同意してヘアトニックを棚に戻す。
和気藹々とネイルを見ている二人。
近くには飾り付けられたクリスマスツリー。その前には小さな女の子が二人、きれいだね、と見惚れている。
ユイが、いつマフラーを渡すのかとあきらに問う。
あきらはコーヒーに刺さったストローを加えている。
好きな人は学校の人? 終業式に渡すのか? とあきらの横顔を見ながら問うユイ。
「考え中…」
あきらはユイの顔を見ず、正面を向いたままコーヒーを啜る。
まさか店長だとは言えないから、あきらはユイに対してある種の疚しさがあるんだろう。
ユイは仲の良い友達で、でもまさか相手がバイト先の店長だとは。言いたいけど言えないわな。
そして突然、あー、キンチョーする! と叫び、告白の前に吉澤を誘わないといけないことを悩む。
一瞬の間があって、トイレに立つユイ。
あきらはトイレに向かうユイの背中を見てから、さっきの化粧品のコーナーを見る。
ユイが、おまたせー、とあきらの元に戻るとあきらが何か購入したものを手に提げている。
ユイが何を買ったのかと問うと、あきらは「さっきのネイルとか」と笑顔で答える。
買ったね。ヘアトニック。
これをプレゼントするのか?
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あきらが部屋で編み物の続きをしている。
傍らの買って来た品をチラと見て手を伸ばす。
頬を紅潮させたあきらの手元がカチャ、と鳴る。
開封?
ということは……まさか、自分用?
あきらが横切ったあと、「ん?」と3人の顔に怪訝な表情が浮かぶ。
あー、香りを振り撒いてる(笑)。
多分、あきらから漂ってくるにはあまりにも違和感があるんだろう。
出来た料理をあきらが加瀬から受けとって運んでいく。
あきらが去ったあと、「ん?」とやはり怪訝な表情を浮かべる加瀬。
加瀬も違和感を覚えた様子。
加瀬は唯一あきらが近藤に惚れていることを知っているけど、さすがに、あきらが近藤の匂いを好んで纏っていることにまでは気付いていないようだ。
「あれっ。あきらちゃん!?」
そこにいたのは何食わぬ顔をして立っているあきらだった。
店長かと思った、と驚いているユイに、あきらは「そう?」とだけ返事して立ち去っていく。
「ん?」と鼻をひくつかせるユイ。
これ、ユイに近藤が好きなことがバレちゃうんじゃないのか?
あきらは、近藤を好きなことを隠そうとしているんだけど、でも近藤への想いが漏れ出ちゃってるんだよね。
かわいいなぁ~。
「橘さん、ちょっといい?」
事務所へ向かう途中、呼び止められたあきらが振り向くと、そこには腰に手を当てた久保がいる。
「まず、飲食店では香水の使用は禁止。つけすぎはもっての他。」
「あとこれは個人的な意見だけれど、つけるならもっと若者らしい香りをつけたらどうかしら。」
それだけ言って立ち去る久保を黙って見送るあきら。
久保さんさすがに注意すべきところはしっかり注意する。
そういえば、ユイが、クサイ、と思わず文句を言ってしまうくらいヘアトニックをつけていると思われる近藤には久保は注意してないのかな(笑)。
ヘアトニックをつけない状態が嫌だから注意せず黙認している、としたら色んな意味で泣く。
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あきらは体育座りをして、テーブルの上に載せたヘアトニックを、いいにおいなのに…、と眺めている。
好きな人が感じられる匂いなら常につけていたいよね。
ただ、ユイを初めとした他の従業員たちにバレる、とか考えてないのかな(笑)。
大胆な行動、というより、ついついつけてしまった、という感じがかわいい。
ユイは顔を紅潮させて、鏡の前で、あきらの選んだヘアアクセサリーを前髪につけている。
あきらの想いを力に変えるようなイメージなのかな。
いよいよ吉澤への告白か。
吉澤はあきらのことが好きで、同じバイト先に追いかけていくくらい好き。
しかし、マフラー作りに苦戦するユイを祖父母の家に連れて行った時に、吉澤もユイにもときめいていた様子だった。
だから成功してもおかしくない。
ただ、吉澤が当初の目標であるあきらを諦められなかった場合、ユイは振られてしまうことになる。
その時、ユイは吉澤があきらを好きなことを知るのかな。
そうなるとユイとあきらの仲がギクシャクしそう、というかするだろう。
正直、その展開は嫌だな~。
個人的に、ユイとあきらのコンビは本作でも1、2を争うくらいほっこりするキャラの組み合わせなのに。
あまりドロドロした展開にならないように祈ろう。
そしてユイの告白が成功しますように……。
以上、恋は雨上がりのように 第63話 ネタバレ感想と考察でした。
次回、64話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。
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