第17話
勇斗を近藤のアパートまで送り、流れで部屋に上がり、帰って来た近藤をびっくりさせると勇斗に言われるままに押し入れに隠れたあきら。
出るタイミングを失ってしまい密閉された押入れの中で暑さに苦しむ。
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押入れから出るタイミングを失ったあきら
近藤は勇斗の正面に座る。
押入れに入っているあきらは出るタイミングを失って勇斗とあきらの会話を聞いていた。
あきらが少し体を動かすとカタ、と音が鳴る。
「何か今…音がしなかったか?」
その音に反応する近藤。
あきらはドキッ、とする。
「妖怪のせいかも!」と無邪気に言う勇斗。
近藤はいやいや、と否定するがすぐそばにある箱からカサカサ音がしている。
「あっ お前なんだコレ!」
箱を開けた近藤はハムスターに驚く。
「つぶだよ!」とあっけらかんと答える勇斗につぶぅ? と返す近藤。
バレなかったことにホッとするあきら。
別にやましいことも無いのに隠れててバレそうになるとドキッとするのわかる。
しかし、あきらが暑そう。

あきらは密閉された押入れの中の熱さに苦しみ始める。
近藤は、コイツを見せに来たのか、とニコニコする。
飼うの? という近藤の言葉にお父さんが飼うんだよ、と答える勇斗。
「おっ お父さんは飼えないよ~~」
会話を聞きながら、あきらは手のひらでぱたぱたあおいで自分に風を送っている。
「お父さん仕事が忙しいし、生き物を飼うなんてムリムリ! ごめんな。」
ハハ…と笑って近藤は手を左右に振りやんわり拒否する。
はぁはぁ言いながら会話を聞いているあきら。
「お母さんと飼いなさい。ねっ」
お母さんには拒否されたと勇斗。
「お父さんの所で飼ってくれたらぼくもたくさんここに来れるし…」
そんな勇斗の言葉に近藤は「あ…」と二の句が継げなくなる。
離婚した手前、子供のこういう言葉には弱くるなるよね。
暑がるあきらがセクシーなんだよなぁ。

「そ、そうか…じゃあ考えよう! なっ!」近藤は困ったような笑顔を作る。
その背後でスパァンと勢いよく押入れのふすまが開き、近藤が振り向く。
畳に倒れ込むあきら。
「え――――!!??」驚く近藤。
「た、橘さん!? なんで!?」
そりゃ驚くよ。何の前触れも無いし。
奇麗に作られたオムライスに疑問を持たない時点で驚くのは当然だった。
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コインランドリーへ行く近藤
その様子を見て近藤は勇斗に麦茶を用意させる。
麦茶を持って駆け寄ってきた勇斗。
足を引っかけて転び、倒れているあきらの背中に見事に麦茶を命中させてしまう。
勇斗の提案で隠れてたあきらを苦しませて、さらに麦茶をかけてしまう。
子供らしい失敗だね。
「橘さーん。」
近藤が扉の向こうのあきらに声をかける。
替えのTシャツを渡したが、洗ってあるけど嫌なら着なくていいから、と頬をかく近藤。
「はい…」あきらは濡れてしまったシャツを脱いで近藤から渡されたTシャツに着替える。
着替えたあきらが扉を開ける。
濡れたシャツを手に取った近藤はシミになるが、ユイの「クサイ」という言葉が脳裏によぎり、自分の洗濯機を使うことに疑問を覚える。
クサイの一言ですごいショック受けてる。
悲しいよね……。
行き際に勇斗に「お姉さんに謝りなさいね。なんでも妖怪のせいにするんじゃありません!」と言い残していく。
近藤が部屋を出て行くと座っている勇斗が泣きそうになって顔を歪ませながら、ごめんなさい、と謝る。
その様子にくす、とあきらは笑う。
「大丈夫。」しゃがみこむあきら。
「つぶは?」
「いるよ。キャベツ食べてる。」
その様子を二人で眺める。
あきらは体育すわりをしてすん、とこっそり近藤のTシャツの匂いを嗅ぐ。
やっぱ嗅ぐのかよ(笑)。
あきらにとっては一連の出来事がトータルでプラスになってて笑える。
しかし、幸せそうな表情だなぁ。
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「なんで橘さんがウチにいるんだ?」とようやく基本的な質問に頭を悩ませる近藤。
近藤の帰りを待つ二人はそろってうつ伏せになってつぶを眺めている。
「勇斗くん… お、お父さんって本が好きなの?」
「うん! じゅーぶんがくが好きなんだって!」
「じゅーぶん?」
「……」頬杖をついて考えるあきら。
急に外から音がする。窓から雨が降ってきているのが見える。
コインランドリー。ザアア、と強めの雨が降っている。
二人でお迎え
「今日は降る気配なかったぞ~~?」空を見ながらつぶやく近藤。
「通り雨であることを祈ろう…」
すると正面から傘を差したあきらと勇斗が歩いて来る。
「迎えに来てくれたのか。」近藤は勇斗に声をかける。
「ハイ、カサ!」
近藤のために傘を持ってきた二人。勇斗から傘を受け取る近藤。
「ありがとう。」
あきらにも礼を言う。
それぞれが傘をさした三人はアパートに帰るために歩いている。
はしゃいで先を歩く勇斗に近藤は注意を促す。
「ウチにそんな傘あったかな…」
あきらの傘を見て近藤がつぶやく。
「コレはあたしの折りたたみ傘です。」と答えるあきら。
「…店長。」
「うん?」
「あたし、店長のこともっと知りたいです。」
雨の中立ち止まる二人。視線が重なる。
なんだこのいい感じ。
あきらの直球押し剛腕投手ぶりにドキドキする。
パシャパシャと走り回る勇斗。
じっと見つめ合ったままの二人。
「あと、ハムスターって飼うの結構大変ですよ。」あきらが冷静に言う。
近藤はその言葉を聞いてえっ、と固まる。
二人のやりとりを見ている勇斗。
いい感じに終わった。
あきらの近藤に仕掛ける攻勢がどんどん強まっていく予感で終わった。
あきらからしたら近藤のアパートの位置は知れたし、純文学が好きだと言う事も分かったし、Tシャツも着れたし、色々得たね。
こんな風に追われたら逃げ切れる男なんていないと思うけど……。
以上、恋は雨上がりのように17話のネタバレ感想と考察でした。
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