第44話
あきらとの仲が進展していると信じていた吉澤。しかしあきらから受けた対応にそれが勘違いだと知り、ブルーになる。編み物に苦戦しているユイに編み物がうまい自身の祖母を紹介するため、吉澤惣菜店に連れていく吉澤だったが、そこで交わされるユイとの会話の中で意識していなかった自身の気持ちに気づく。
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実はあきらとは進展していなかったことを知る吉澤
しかし最近、あきらはまた以前のように加瀬にまかないを頼むようになっていた。
あきらは加瀬に作ってもらったサンドイッチを持って事務所へ休憩に行く。
あきらにサンドイッチの調理を頼まずがっくりしている吉澤。
大塚から休憩に入れ、と言われ、チャンスだと喜び勇んで事務所へ向かう。
そのころ事務所では、あきらとユイが会話していた。
ユイが編み物が上手く編めず、間に合わないかも…、とあきらに弱音を吐く。
まだ時間あるし、大丈夫だよ! と笑顔で励ますあきら。
「それより、こんなところで広げたら吉澤に見られ…」
あきらが言い終える前に勢いよく事務所の扉が開く。
吉澤がやる気に満ちた表情で立っている。
吉澤を見ながら止まっているユイとあきら。
ユイが編みかけのマフラーを背中に隠し、あきらがおもむろに立ち上がる。
「出てって。」
あきらが冷たい表情で吉澤に言い放つ。
ファ!? と吉澤の目が飛び出す。
オレも休憩しろって大塚さんが…と動揺している吉澤。
「出てって。」
有無を言わせぬ迫力で吉澤に迫るあきら。
吉澤はまかないの皿を持って、キッチンにぽつんと立ってぼーぜんとしている。
ぶつかってきた大塚にジャマだと言われてしまう。
「もしかして脈ナイ系…?」
ボソッとつぶやく吉澤が振り向くと加瀬がじっと見ている。
「成長したな」
加瀬は吉澤の肩をぽんと叩いて再び仕事に戻っていく。
まだあきらとの仲ははじまってすらいなかったのか、と憔悴する吉澤。
研修バッジもとれたしがんばって、と店長に声をかけられた吉澤は床の上でぺらぺらになって横たわっている。
面白いけど、可哀想だ……。
あきらからの要求は吉澤からしたら理不尽だし、加瀬も言い方がヒドイ(笑)。
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ユイが扉を開けて誰もいないか様子を伺う。
自分のロッカーを開けて取り出したのは編みかけのマフラー。
満面の笑みを浮かべて編んでいるユイ。
「それ、マフラー?」
「そう! クリスマスまでに編むの!」
編みながら、問われたことに即答し、声のした方を見る。
ウッス、とどこかテンションの低い吉澤がいる。
「よ、吉澤くん…いつからそこに…?」
「え? つい今さっき…」
さらっと答える吉澤。
「クリスマスとはこれまた気が早いっスね―――」
「うん…そうなの…」
ユイは泣きながら答える。
「あたし不器用だから、今から編んでるんだ。」
編みかけのマフラーからは所々から毛糸がびよょーんと出ている。
「それでも間に合うかビミューだけど…」
それを見て、バイト帰りに時間ある? とユイに問いかける吉澤。
編み物の達人を紹介すると親指をグッと立てる。
気になるのは仕方ないけど、ユイは隠し事に向いてない。
これも吉澤が悪いわけじゃないんだよね。
吉澤くんの祖父母の家にて
ユイが見上げているのは「吉澤惣菜店」という看板のかかった店。
入口を開けて、おーい、ばーちゃーん、と呼ぶ吉澤。
ユイは入口の引き戸に体を隠すようにして店の中の様子を伺うユイ。
コラーッ!!! とすごい勢いで吉澤に雷を落とす吉澤のおばあさん。
「アンタは、来る前に連絡しろっていつも言ってるだろ!!」
吉澤を指さし、すごい剣幕のおばあさん。
「ごはん、コロッケしかないからね!!」
まったく、アンタって子は…と吉澤への説教の途中で、ん? とユイに気づく。
「あ、あのはじめまして…西田ユイと申します…!!」
引きつった笑顔を作り、ユイがお辞儀をする。
オレの専属美容師さんだ、と能天気に紹介する吉澤。
お客がいるならそう言いな!! とおばあさんは吉澤の脳天に拳骨を落とす。
ちゃぶ台の上に置かれた皿にコロッケが盛られている。
そんなモンしかなくてゴメンね、でもコロッケはおいしいよ、とユイに優しく声をかけるおばあさん。
吉澤には、タカシッちゃんともてなすんだよ!! と厳しい。
ハ~~~イ、とおばあさんからの罵声が全く堪えていない吉澤はコロッケに手を伸ばす。
吉澤とおばあちゃんの関係性がよくわかるやりとりだと思う。
「ウチのばーちゃん!」
ユイの問いかけに即答する吉澤。
こんな時間に迷惑じゃない? というユイに笑顔で大丈夫、オレしょっちゅう来てるから、と答える吉澤。
棚には「ばーさやんへ タカシ」と子供が描いたおばあさんの絵が飾られている。
「それに、今日はオレもまっすぐ帰りたくなかったし…」
吉澤はコロッケを片手にぽつりと言う。
あきらとの距離が縮まっていたというのが思い込みに過ぎなかったことが分かって少しブルーな吉澤くん。
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吉澤のユイへの気持ちが……?
吉澤は口の中のコロッケを飲み込む。
「西田さんって、好きな人とかいる?」
「えっ!! あっそっっっあっ…」
好きな人からの唐突な質問に驚くユイ。
…まぁ…、とかろうじて答える。
吉澤が、マジすか!!? とちゃぶ台を叩いてユイの方に体を乗り出す。
「実はおいどんも…」
「ちょっとまって!!」
声を張るユイ。両手を挙げて吉澤を制止する。落ち着いて続ける。
「この話、やめない!? はずかしーし!!」
少し間があって吉澤は、そうスね…不毛だ…、とため息をつく
話題を棚上げ出来てホッとするユイ。
ふと吉澤がユイの手元の編み物を見る。
「そのマフラー、いい色スね。オレの好きな色だ。」
ユイが表情を輝かせて吉澤を見る。
あ、もしかして…、と吉澤が片手で頬杖をついてユイに問う。
「そのマフラー、好きな人にあげる系!?」
青くなるユイ。
「うん…、当たり系…」もうどうにでもなれ、という気持ちのユイ。
やっぱし!! と表情を輝かせる吉澤。
……でもさ、と編み物を掴む手に力を入れるユイ。
「あたし、片想いなんだけどさ、こんな手編みのマフラーとか、重いよね…?」
頬杖をついたままユイを見ている吉澤。
「そーかなァ。」
「その人はどーかわかんないけど、オレは西田さんからもらったらうれしいっスけどね。うん」
笑顔で言う吉澤。
(ヤバイ…泣きそう…)
泣きそうなのをあはは、と笑ってごまかすユイ。
「ありがと―――…」
ぐす、と鼻をすする。
ユイの反応に何かを感じた吉澤。
「…西田さんの好きな人って、どんな人なの?」
「いつも笑顔で、」
(ん?)
吉澤の胸にチクッと痛みが走る。
「面白くて、」
チククッ
(んん?)
「ちょっと天然入ってて、」
チクククッ
(んんん?)
「太陽みたいな人…」
「ちょっとまったァ!!」
満面の笑みを浮かべて答えるユイを声を張って制する吉澤。
「この話、やめようっス。ウス。」
手を前に突き出して、話題の棚上げを提案する吉澤。
吉澤のおばあさんがマフラーの編み方だって? と部屋に来る。
あ、ハイ!! よろしくお願いします! と慌てて挨拶するユイ。
吉澤はなぜユイが好きな人の話をしていると胸が痛むのか、胸を押さえて不思議がっている。
どれどれー、と編み物を見ているおばあさんから吉澤の方を向いて微笑むユイ。
その場から飛びのく吉澤。
吉澤は、なんなんだ!? とユイたちに背を向けて、コロッケを頭に乗せてドキドキしている。
なんじゃあ~カワイイ娘じゃの~、とおじいさんが突然吉澤の目の前に現れる。
「じーちゃん急に出てくんなよ!!」
ガハハハハと笑い声。
吉澤がユイへの気持ちに気づき始めた最初の日か?
意識しはじめると、好きになる度合いは加速度は増していく。
ユイの恋愛が成就しそうでうれしい。
吉澤もあきらのことは残念だけど、ユイだってとても良い子なんだから結局は幸せ者だと思う。
このままいい感じに進展していくことを祈りたい。
以上、恋は雨上がりのように44話のネタバレ感想と考察でした。
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