第26話
近藤の部屋から戻り、翌日、あきらは熱を出していた。昨夜の部屋での出来事を思い出し甘美な気分になるあきら。カゼから復帰した近藤もまた昨夜の出来事を思い出し、こちらは苦悩していた。
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発熱したあきら
38.2c°の表示の体温計を見ながら嵐の中バイトに行くから熱が下がらない、と文句を言う母。
母は、ちゃんと寝てるのよ、と自室で寝ているあきらに言い残して仕事に出かける。
氷嚢を頭に乗せているあきら。息が荒い。
あきらは昨夜の近藤の部屋で起こった出来事を思い出す。
停電で真っ暗な部屋の中であきらは近藤に抱きしめられる。
驚いてされるがままになっているが、すぐにあきらも近藤の肩を抱く。
部屋の中を激しい雨音が響く。
近藤と抱き合いドキドキしているあきら。
はっと我に返った近藤が自分とあきらを引き離す。
「あ…これは…その…」近藤は、顔を赤くしてあきらへの言い訳を考えている。
同じく顔を赤くして近藤の言葉をじっと待つあきら。
電灯が停電から復帰し、部屋に光が満ちる。
「友達!」
急に明るくなり、眩しくなって目をすぼめる近藤。
人差し指を立てて、言い聞かせるように主張する。
「友達としてのハグ!!」
「友達…?」同じく眩しく目をすぼめているあきら。
「そう!」力を込めて応じる近藤。
それを受けてあきらの表情が僅かに歪む。
近藤の苦しい言い訳。納得し兼ねている様子のあきらがかわいい。というか表現が巧みすぎる。
そして、照れて近藤から視線を反らすあきら。
どさっ、とあきらの前で倒れる近藤。
「店長!?」あきらが近藤に呼びかける。
タクシーが止まっている。
横殴りの雨は近藤の指している傘を無用なものにしている。
「電車は動いてるみたいだから!!」
近藤はタクシーの運転手にお金を渡す。
「運転手さん、駅までお願いします!! コレ、タクシー代です!」
「店長…一人で大丈夫ですか?」ドアを開けたままのタクシー車内からあきらが近藤に呼びかける。
「俺のことはいいから! ホラ ちゃんと乗って! ぬれちゃうよ!!」
近藤は気を付けて帰るんだよ、と言い、大きなセキをしている。
タクシーの窓から近藤を心配そうに見つめるあきら。
タクシーのドアが閉まり、駅に向けて発進する。
近藤の元を離れていく。近藤は横殴りの雨に傘を持って行かれそうになっている。
あきらは目をじっと閉じたあと、両手を中空に向けて伸ばす。
近藤、相当ムリしてるけど大丈夫なのか。
あきらはこれでカゼひいたんだろうか。ひょっとしたら近藤にうつされたのかも。
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友達…
裸のあきらは近藤と想像の中で抱き合う。
身体が熱くなり、息が荒くなって発汗するあきら。
起き上がり、水分を摂って一息つく。
しばらく上体を起こしたままのあきら。
(友達…)近藤の言葉を思い出し、ぼふっと布団に倒れ込む。
それは近藤の言い訳だからまともに受け取ることはない。
確実に進展した関係。
「いらっしゃいませ――!」
夏カゼによる体調不良から復帰し、爽やかな笑顔で挨拶する近藤。
店長が治ったとおもったらあきらがカゼ、とわなわなと怒りを抑えている久保。
そんな久保に、オフィスに行く、とことわる近藤。
近藤は煙草に火をつけて、開けた窓から外を見ている。
煙草を吸いながら徐々に汗にまみれていく顔。
「ああああああああ」
近藤はあきらとの夜を思い出し、苦悩する。
近藤が面白すぎる。気持ちと行動が伴わなくて大変だ。
あきらからは逃げられない。
以上、恋は雨上がりのように26話のネタバレ感想と考察でした。
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