恋は雨上がりのように最新第69話のネタバレ感想と考察。あきらが近藤に、切れた糸電話越しに告げる本音。

恋は雨上がりのように第69話 あきら
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第69話
恋は雨上がりのように第69話 あきら

第68話のおさらい

結局、あきらに触発されて、前夜から徹夜で小説に取り組んだ近藤。
恋は雨上がりのように第68話 近藤
寝不足でクマを作りながらも、充実感に満たされ上機嫌のままガーデンに出勤する。

近藤が本社に行っている間、ガーデンにちひろが訪れていた。

以前近藤がメールのやりとりをしている形跡があり、しかも一度は男性社員だと誤魔化そうとまでした「橘あきら」が一体誰なのかを探っていた。

店内を見て、年齢的にもそれっぽい女性の胸元のネームプレートを確認するも「久保」という別人。

近藤が言ったように、実は本当に男性社員なのか、と思うちひろ。

「橘あきらくんっている?」

ちひろはユイに直球で尋ねるが、ユイは少し考えて、「橘あきら”くん”はいません。」と笑顔で答える。
恋は雨上がりのように第68話 ちひろとユイ
訳が分からず会計に向かうちひろ。

(橘あきら自体いないとは…?)

レジ前で疑問を感じていると、レジで作業をするユイが思い出したようにちひろに声をかける。

「橘あきらくんはいないけど、あきらちゃんならいますよ!」

レジ前に現れたあきらと遭遇するちひろ。

レジ前で見つめ合う二人。

青くなっていくちひろ。ポーカーフェイスのあきら。

ちひろはふらつきながらあきらの年齢を問う。
恋は雨上がりのように第68話 ちひろとあきら
「17歳です」

衝撃を受けるちひろ。

その衝撃を抱えたまま、ちひろは集学館文芸局謝恩会に出席する。

そこであったのはちひろがなぜ世間に受けているのか理解できずに苦しんでいた作品及び作者である町田すいだった。
恋は雨上がりのように第68話 町田すい
学生服を着た町田すいは、ちひろに年齢を問われて17歳だと答える。

(なんなんだよ今日は一体。)

一日中、心をかき乱されるちひろ。

夜になってガーデンに帰って来た近藤は、事務所内がいつもよりもざわついていることに気付き、何があったのかと問う。

九条ちひろが来た、と笑顔で答えるユイ。

思わず、ちひろが? と反応してしまい、大学の同期で知り合いだったことの驚きが事務所内に広がる。

加瀬は早大というブランドがあっても冴えない中年になり得るというサンプルを前に吉澤に学歴だけじゃだめだと強く諭す。

盛り上がる事務所の中で、近藤は一人青くなっていた。

(ちひろと橘さんが…?)
恋は雨上がりのように第68話 近藤
前回68話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

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第69話

仕事中呆けている近藤。

恋は雨上がりのように第69話 近藤

暫くぼーっとしてから、はっと我に返って仕事を再開する。

近藤の目の下にはクマが浮かんでいる。

 

あきらは、近藤のその一部始終をじっと眺めている。

恋は雨上がりのように第69話 あきら

「おなかすいた―――」
ひょこっと壁から姿を現した勇斗。

 

近藤は、もうそんな時間? と驚く。

 

もうすく3時、と返す勇斗。

 

「しまった! 銀行行かないと!!」
近藤は、すぐそばにいるあきらに店を出ると告げ、休憩に入ってと続ける。

 

「あ、あとさ……」
切り出しづらそうな近藤。
「こないだちひ…九条ちひろと何か話した?」

 

「え?」
あきらは少し考えてから答える。
「特に何も。」

 

あ、そう……、とほっとする近藤。

 

「んじゃ、後はヨロシク!」
近藤は、にっ、と笑顔であきらに呼びかける。

恋は雨上がりのように第69話 近藤

 

あきらは少し意外そうに近藤をじっと見つめる。

 

糸電話

事務所。

 

ガツガツ料理をかきこむ勇斗。
「ごちそうさまでした!!!」

 

あきらはサンドイッチを持ったまま勇斗の食べっぷりに驚いている。

 

サンドイッチを頬張ったあきらに、コレ持って! と勇斗から声がかかる。

 

「糸電話?」
糸電話を手渡され、もう片方を持った勇斗が事務所のドアを開けて外に走っていく。
「耳にあててーッ!!」
勇斗は離れた場所から両手を上げてあきらに呼びかける。

恋は雨上がりのように第69話 あきら

あきらは椅子に座り糸電話を持ったまま勇斗を見つめてから、左耳に糸電話をあてる。

 

『うんこ。』

 

あきらは糸電話を耳から離し、眉根を寄せて勇斗を睨む。

 

勇斗は、きひひ、と笑う。

恋は雨上がりのように第69話 勇斗

 

あきらはおもむろに糸電話に口をあてる。
『足の捻挫はもう大丈夫ですか?』

 

勇斗は糸電話を耳にあててあきらの言葉を聞いている。

 

『大丈夫です。』
勇斗の返答を笑顔で聞くあきら。

 

『ほかに質問はありますか?』
笑顔であきらに問いかける勇斗。

 

糸電話を左耳にあてて聞いているあきら。
「………」
頬を染める。
『お、お父さんの誕生日って…1月のなん日ですか…?』

 

きちんと聞いていた勇斗が答える。
『知りません。』

 

あきらは勇斗の思わぬ答えにガクッとなりつつも、めげずに質問を重ねる。
『少しも覚えていませんか? 月の前半か後半かとか…』

 

フンフン、とあきらの質問を聞いて勇斗が答えようと糸電話に口をあてる。

 

左耳に糸電話をあててちょっと真剣に勇斗の答えを待つあきら。

 

僅かな間の後。

 

『僕の誕生日は1月5日ですよ。』

 

勢いよく勇斗のいる前方を見るあきら。

恋は雨上がりのように第69話 あきら

視線の先には、しゃがんで糸電話を口にあてている近藤がいた。
近藤の後ろでは勇斗が両手を上げて踊っている。

 

『橘さんの誕生日はいつですか?』
近藤が糸電話であきらに問いかける。

恋は雨上がりのように第69話 近藤と勇斗

頬を染めながら、あきらは糸電話を耳にあてている。

 

近藤が糸電話を耳にあてる。

 

『あたしの誕生日は…6月21日…』

 

答えた後、左耳に糸電話をあてる。
近藤の言葉を待つが一向に聞こえてこない。
「あ…糸が…」
糸電話の糸が切れている。

 

糸電話を見つめるあきら。

 

「6月か…」

 

あきらは、手元の糸電話から、ドアの方向に視線を上げる。

 

「雨の多い季節に、生まれたんだね。」
近藤は笑顔で事務所の入り口に立っている。

 

近藤に見惚れるあきら。

 

お父さん、糸電話こわしたー、と勇斗がブーブー言いながら近藤の背後から顔を出す。

 

「店長…早かったですね。」
座ったまま、近藤に問いかけるあきら。

 

近藤はあきらをじっと見てから、頭に手をあてて天を仰ぐ。
「銀行もう閉まってた――」
アハハー、と笑い、久保には内緒だと続ける。

 

「…」
あきらは呆れた様子で近藤を見つめる。

 


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さみしいあきら

橘家。

 

あきらは自室で手帳を開いている。
1月5日の欄に「店長 birth day」と記入されているのを頬を染めて見つめる。

恋は雨上がりのように第69話 近藤誕生日

ベッドにうつ伏せになっているあきらは腕を顎の下で組み、目を閉じて、開く。

 

思い浮かぶのは事務所を出て行く直前の近藤の笑顔。

 

そして、銀行に向かう近藤の遠ざかっていく後姿。

 

あきらは完全に枕に顔を埋める。

恋は雨上がりのように第69話 あきら

 

コーポ白樺。

 

近藤は書斎で机に向かっている。

恋は雨上がりのように第69話 近藤

咥え煙草の煙をくゆらせて、ひたすら執筆に集中している。

 

ガーデン。

 

「何かしゃべってー!」
勇斗は右耳に糸電話をあてて左手を上げている。

 

「1回だけだぞ!」
近藤は勇斗の背後で糸電話を持ち、しゃがんでいる。

 

糸電話は近藤と勇斗の前で2本に分岐している。

 

近藤と勇斗の糸電話の先の糸電話は椅子に座ったあきらが持っている。

 

「あっ。」
近藤の糸電話の糸が紙コップから離れる。
「勇斗電話ひっぱりすぎだって。」

 

あきらは手元の糸のたわんだ糸電話を見て、視線を事務所に向かって歩いて来る近藤と勇斗に移し、糸の切れた糸電話を口にあてる。

恋は雨上がりのように第69話 あきら

「この頃 店長のこと見てると、あたし少しさみしいです…」

 


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感想

あきらがさみしいのは、近藤が、以前よりも充実しているのがあきらには全く見当がつかないからではないか。

 

小説の執筆を再開し、時には徹夜してまで書くことに充実感を覚えている近藤。

 

そんな事は露とも知らないあきらには、何故近藤が目の下にクマをこさえておきながら良い表情を見せるのかがわからない。

 

これまでずっと気にかけてきていた近藤が、明らかに充実した表情を見せるようになったその理由が全く分からないというのは辛い。

 

あきらは、自分と近藤の関係が進展して、こういう充実した表情を見ることが出来たら……なんて思ってるのだろうか。

 

近藤はそもそもあきらに小説を執筆していることを言っていなかったため、最近執筆を再開したこともあきらに言うことは無いんじゃないかと思う。

 

もし伝えるとしたら小説を書き上げてからかな。

 

少なくとも書き上げて形にするまではあきらはさみしい思いをするのではないだろうか……。

 

執筆途中を報告するとすればちひろくらいだろう。

 

以上、恋は雨上がりのように第69話のネタバレ感想と考察でした。

次回、70話に続きます。

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