7話
ファミレスで、近藤につい告白してしまったあきら。しかしリアクションはあきらのもやもやするようなものだった。
教室でもずっともやもやしているあきらは放課後、大振りの雨の中を傘もささずにファミレスガーデンへ向かう。

告白の手応えの無さに、もやもやがとまらないあきら
ファミレスで近藤に告白した時のこと、そして近藤のあっけらかんとした反応を思い出す。
(本当にィ? ありがと――!!)
もやもやして仕方がないあきらは、思わず友達3人組に話しかける。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
「うん?」「ナニナニ!?」
不穏なものを感じた様子のあきらは「やっぱなんでもない…」と会話を取り下げて再び机に突っ伏すのだった。
「なんやねんッ」と怒る3人組。
まぁ、単なる話題として消費されるだけならともかく、関係自体がブチ壊しになる可能性が高いだろうからあきらの判断は正解(笑)。
雨やどりさん 2014年/7/10 10:25:53
先日、好きな人に「好きです」と
告白したのですが、「ありがとう」と
返されて終わりでした。
私の気持ちはちゃんと
伝わっているのでしょうか?
回答がつく。
ピッコロさん
うーーーん。
わからないフリをして
フられたんじゃ
ないですか?
そういうことをする
男性はよくいますよ。
「…………」
ショックを受けるあきら。
机に頭をぶつける勢いで突っ伏す。
ショックを受けてるあきらの様子がかわいいと思ってしまう。
初めて名前呼ばれた、とテンションが上がる吉澤。
「最近、店長…どんなカンジ?」
なんか妙にテンション高くて皆にウザがられてる、と答える吉澤。
「あと橘のこと毎日気にしてるよ。」
「そう」と吉澤から踵を返し、スマホを操作するあきら。
<補足>告白後、相手は私のことを毎日気にかけてくれているみたいです。
と書き込むあきら。
回答がもう一件つく。
Skyウォーさん
はじめまして。毎日気にしているのなら…
少なからず相手もあなたに好意を
持っているのだと思います。
「ありがとう」も、単純に嬉しかったのでしょう。
恋ははじまったばかりです。
がんばって!!
「はじまったばかり」の文字に注目するあきら。

自分を勇気づけてくれた回答をベストアンサーに決定するあきら。
結局相談って自分の中で出ている答えを他人からもらって強化したいんだなぁと思う。
これはリアル。
しかし吉澤が不憫……(笑)。
スポンサーリンク
陸上部の練習を見学
来てくれたんだー!? と喜び、他の部員にあきらが来たことを大声で知らせるはるか。
用意された机に座って練習風景を眺めるあきら。

後輩の石井が好タイムを出したのか、笑顔で抱き着いて喜びを表すはるか。
あきらは、その二人の姿に、元気に走っていた頃の自分とはるかの姿を重ねる。
はしゃぐはるかと石井。
ケガをしてなかったら……、と思っているのだろうか。
走りたい、けど走れない。辛い現実。
おもむろに席を立つあきら。
もう帰るの? というはるかにうん、と答えるあきら。
「石井、新記録おめでと!」
終わったあとファミレスに行かない? とあきらを誘うはるか。
他の部員も口々にあきらを誘う。
「そういえば橘先輩、今、ファミレスでバイトしてるんですよね?」
エッと驚く他の部員。
何よそのリアクションは、とむっとするあきら。
ブアイソな橘先輩が、接客業だなんて! 信じられないッとおおげさな後輩たち。
あのね、君たち…、とツッこむ気にもなれないあきら。
仲が良く、慕われているのが良く分かる。
あきらは良い先輩してると思う。
それイイー、と同意する声が続く。
どこのファミレスなんですか? と笑顔で問いかける後輩。
しかしあきらは「だめ。」と強い拒絶を示す。
「来ないで。」
茫然とする後輩たち。
その様子を少し離れたところで汗を拭きながら見つめるはるか。
「あっ…ごめん…」空気を壊したことに気付いて取り繕おうとするあきら。
「その、遠いし…」
いたたまれなくなってその場を離れるあきら。黙って見送る陸上部員たち。
ちょうど雨が降り始める。
ザーザーと強めの雨になっていく。
強めの否定になってしまったことを後悔している様子のあきら。
なぜこんなにも強く拒絶してしまったのか。
陸上のことを忘れたくて駆けこんだガーデンだったのに、陸上部員が来たらあきらの居場所がまた無くなってしまうということだろうか。
あきらは自分の大切なものは誰かと敵対しても守るという素直な人間だと思う。
だからこういうシーンが生まれるのは仕方がない。誤魔化すように力なくヘラヘラ笑うあきらなんて見たくない。
スポンサーリンク
真剣さが伝わる告白
事務所でキーボード入力をしている近藤。
作業を一区切りするとひとつ大きく息をつき、首をボキボキ鳴らす。
咥えた煙草に火をつけ、窓を開ける。
「あっれ、雨かァ…」
遠くに何かを見つける近藤。
傘もささずに歩いてくる人影が近づいてくる。
制服姿のあきらだった。
「え、橘さん?」
店長を正面に見据えて、距離をとって立ち止まる。
「とにかく中に入りなよ」
「びしょ濡れじゃないの!」
近藤の言葉を全く意に介していない様子で、あきらはその場に立ち止まったまま動こうとしない。
近藤は、そんなあきらを黙って見て居られず、事務所のドアを開けてあきらを招き寄せようとする。
「…………」
「え?」
何かをしゃべっているあきら。しかし強い雨の音で近藤の耳には聞こえない。
「橘さん?」
あきらは顔を伏せ、目を閉じ、意を決したようにゆっくりと目を開いて前を見る。
「あなたのことが好きです。」
真剣に、自らの想いを伝えるあきら。
それだけ伝えて、あきらは来た道を戻っていく。
遠くなっていくあきらの姿をじっと見つめている近藤。
落すことを忘れていた煙草の灰がぼとりと一気に地面に落ちる。
雨が降りしきる中、近藤はドアを開いたまま、ただその場に立ち尽くすのだった。
前回の告白とは違い、確実に近藤の心に伝わった告白だった。
これだけ真剣に誰かに告白した人が世の中にどのくらいいるのだろうか。
照れもせず、誤魔化しもせず、ただ真剣に自分の想いを淡々と伝える。
間違いなく、恋は雨上がりのようにという物語のヤマ場のひとつだと思う。
ここまで読んだ人は今後どうなるのか気になってしょうがないはずだ。
これからどうなるか楽しみ。
以上、恋は雨上がりのように7話のネタバレ感想と考察でした。
恋は雨上がりのように8話のネタバレ感想と考察の詳細は以下をクリック。

コメントを残す