恋は雨上がりのように54話のネタバレ感想と考察。ちひろの小説への熱に触れた近藤は何を思う。

あきらと勇斗
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第54話
近藤
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作品の映画化が決まったちひろの思わぬ言葉に揺れる近藤。

文学ってのは毒なんだ

マンション。九条ちひろの部屋。

デスクの前に座り、どこか浮かない表情をしているちひろに編集者が映画化おめでとうございますと声をかける。

ん? 気づいてお礼を言うちひろ。原稿を渡す。

ひとしきり仕事を褒める編集者がちひろの手元の原稿用紙に気づき、作品を書くものを原稿用紙に替えたのかと問う。

そういうわけではないが、ちひろは旧友がずっと原稿用紙で書いているからマネたと答える。

今時珍しいと驚いた様子の編集者に少しの沈黙のあと、そういうヤツなんだよと返すちひろ。

長編よろしくお願いいたしますと部屋を後にする編集者におつかれと挨拶する。

編集者が帰ったあと、ちひろは少し原稿書いているとすぐに筆が止まり、煙草を吸う。

スマホに近藤から電話があり、ちひろが出る。

「もしもしオレだけど! 映画化だって!? おめでとう!」

「お――――」

「なんだよ。うれしくねーのかよ。」

「別に。んなこたねーけど。」

「だろ!?」

「いや~~~お前はすごいよなー。」近藤の手には映画化決定という見出しの踊る雑誌。

「お前の作品はたくさんの人を救ってるってことだぜ?」
「……」ちひろは沈黙。
「おい ちひろきいてんのか?」

「こんなのちっとも面白くねーよっっ。」吠えるちひろ。
「お前だって本心じゃそう思ってんだろ!!」

事務所のイスから転げ落ちる近藤。

「大体文学ってのは人を救うためのモンじゃねーんだよ!」

「文学ってのは毒なんだ…」
「こんな大衆に媚びたクソみたいなモンじゃなく…」
九条ちひろ
「見てろよ近藤。」
「オレだってまだまだ書けるんだからな。」
ブッと電話を切るちひろ。

野心的だ。

このくらいの気持ちがないと作品作りはできないのだろう。

近藤からのあきらへのお返し

切れた電話をしばらく見つめる近藤。

お祝いの電話しただけなのに…、とひとりブツブツ言っていると事務所に誰か入ってくる。

休憩に入ったあきら。
「お疲れ様です。」

「おつかれ!」

「橘さん。こないだはありがとうね!」笑顔で話しかける近藤。
「すごい助かったよ。」

「いえ、勇斗くんよろこんでくれてよかったです。」

「……」笑顔の近藤。
「それでその…改めて橘さんにお礼をしたいんだけど……」

サンドイッチを食べようとしたあきらが顔を上げて近藤を見る。

おおお。近藤が随分積極的になった!?

場面転換。海。

「海だ――――っ!!」と勇斗。

「本当にこんなんでいいの?」

「ハイ!」笑顔で答えるあきら。息が白く弾む。
「海、来たかったんです!」
夏来れなかったし…と続ける。

遠くから勇斗がおーーーいと叫ぶ。

波打ち際で勇斗とあきらが戯れている様子を離れた場所から見ている近藤。

(オレだってまだまだ書けるんだからな。)

近藤の頭の中で、ちひろの一言が頭にこだましている。
近藤
(十分書いてるじゃねーかよ。)心の中でそうつっこみながら煙草に火をつける。

紫煙を吐き出す近藤。

(…学生の頃よくちひろとそんな話ばっかしてたなァ…)

(なつかしいなァ、そういう感覚)遠くを見つめる近藤。
(あいつ変わんねぇな…)

ちひろの一言に心が囚われている近藤。

その心にあるのは羨望なのか。

(俺は、俺はどうだろう…)
あきらと勇斗を見つめる。

「わぁっ! あっぶね!!」勇斗がおどける。
それを見て笑うあきら。

ふと視線を勇斗から外すと波打ち際を走る人。

はっはっと通り過ぎていく人を視線で追っていくあきら。
走る人に目を奪われるあきら
「あっ! いーもんめっけ!!」と勇斗。

(ささささ、さむい!!)しゃがみこんで自らを抱くようにして近藤が凍えている。





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「お父さ―――ん!」

自分を呼ぶ声に気づく近藤。

走って来る勇斗とあきら。

「見て! こんなの落ちてた!」近藤に流木を見せる勇斗。

「へ―――この浜 こんなの拾えるんだ。」

「橘さんも何か拾ったの?」

あきらの差し出した手のひらにはキラキラした石。

「シーグラスか」ひとつつまみあげる近藤。

「それ石?」

「ガラスだよ」勇斗の疑問にすぐ応じる近藤。

「なんでまるっこくてくもってるの!?」

「波にもまれて角がとれたんだよ。元はとがってピカピカだったガラスさ。」

「……」シーガラスを見ながら沈黙し、突如「つまらんガラスだ…」怖い顔で言う近藤。
近藤
「えっ。」驚くあきら。

「ああいやぁっ!」あきらにシーグラスを返す近藤。
「なんでもないない! ハイッ!」

近藤は、勇斗とあきらが一瞬顔を見合わせていい笑顔になるのを見つめる。

あきらと勇斗

ちひろの真似をした近藤。やはりよほどあのやりとりが心に残っているんだろう。

やはりちょっと憧れがあるんだろう。

「もっと拾ってくる!」と勇斗。

「え”っ! じゃあお父さんコーヒー買って来る!」君たちの分もね、と別れる2組。

近藤、さぶさぶと自販機に向かい、コーヒーを飲む。

(俺は年をとった。)

(日々肉体は朽ちて、心は鈍くよどんでいく…)真剣な表情になる近藤。
(……)

おーいと遠くから呼ぶ勇斗。傍らに立って笑うあきら。

(だからこそ、彼等を美しく思うのか。)
近藤
缶飲料を持って立ちすくむ近藤。

若いふたりを眩しく思っている様子がわかる。

これはもはや、あきらは恋愛の対象になってないんじゃないか。

場面転換。ガーデン。

カタカタパソコンに打ち込む近藤。

机の上に置いたシーグラスがキータイプの振動で震える。

近藤は椅子にもたれ、シーグラスを摘んでじっと見つめる。

これでいよいよ自分も本格的に書くのか?

以上、恋は雨上がりのように54話のネタバレ感想と考察でした。

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