第66話
高校駅伝を見に行こうとあきらを誘ったはるか、そして二人の引率のために同行したともえの3人は京都へ向かう。
京都に到着し、駅伝の中継地点に向かうあきらたち。
興味の無いともえは早々にその場から去り、残されたあきらとはるかは駅伝を観戦している。
観戦中、はるかは、会話中にあきらが駅伝が好きだと言ったのを聞き、すぐに山本の、好きだけではだめ、という言葉を思い出す。
それを直接あきらに問いかけようとした時、背後から聞こえてきた大きな声で会話が途切れる。
あきらとはるかの背後で大きな声で話していたのはみずきとその友達だった。
![恋は雨上がりのように65話 あきら、はるか、みずき](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/05/65_06.png)
突然の出会いに混乱するみずきは必死にあきらに向けて色々と話す。
以前、あきらがみずきの高校に来た際に、みずきが不甲斐ない走りをしたことはたまたまで、もっと実力があるのだとみずきは必死に訴える。
その上で、あきらが走る時には万全の状態で臨むことを約束するみずき。
![恋は雨上がりのように65話 みずき](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/05/65_08.png)
みずきがあきらの復帰を前提に話していることに気づくはるか。
みずきの友達がみずきをあきらとはるかの前から連れ去り、再び駅伝を見るあきらとはるか。
駅伝を観戦し終わり、あきらとはるかはともえと合流して京都を観光する。
夜、観光を終え、ホテルの大浴場に入る3人。
サウナのために早々に湯船から出たともえ。
湯船に残されたあきらとはるかが会話している。
クリスマスイブにマフラーを渡さず京都に来ていていいのかと問うはるかに、あきらは渡していいのかと悩んだことを告白する。
はるかは、昼に高校駅伝を観戦している時に問いかけた質問を再びあきらに問い直そうをする。
しかし、湯船にずっと浸かっていたあきらとはるかはのぼせてしまう。
![恋は雨上がりのように65話 あきら、はるか](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/05/65_12.png)
更衣室のベンチに寝ころびながら、何かを考えているあきら。
近藤にメールが届く。
京都からのメールに驚く近藤。
しかしあきらの添付していた金閣寺の画像は近藤のガラケーでは開くことができなかった(笑)。
前回65話の詳細は以下をクリックしてくださいね。
![](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/05/65_09.png)
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第66話
京都旅行二日目
あきら、ともえ、はるかの3人の京都旅行二日目。
高校駅伝一区と同じルートを走るというはるかに、本当に走るのー!? と信じられないといった様子のともえ。
楽しそうなはるかは、当たり前という態度で、うん、と頷く。
京都に来る前に同じコースを走ると言っていたはるかは、その通りに走るとともえの問いに答える。
まさか本当に走るとは、と呆れた様子のともえ。
あきらに同意を求めるが、あきらの、はるかは実際に走ると思っていた、という答えを聞きともえは何も言えなくなる。
第一中継所あたりで待ってて、とはるかは走り始める。
立ち止まっているあきらとともえから、はるかが笑顔で走り去っていく。
走りたくなるモンなのね~、とはるかの背中を見ているともえ。
あきらも遠ざかるはるかをじっと見つめていた。
喫茶店で時間を潰すあきらとともえ
喫茶店。
あきらは、ともえから借りた『波の窓辺』を読んでいる。
![恋は雨上がりのように第66話 あきら](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_02.png)
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
いくら考えあぐねても、『そうなってしまった』と言うほか答えはない。
ともえが、面白い? と声をかける。
ともえに視線を投じ、うん、もう半分よんじゃった、と答えるあきら。
ともえはあきらにフフッと若いかける。
「読みやすいでしょ。」
ともえは、ちひろの小説を「色んな目線で読むことができる」と評し始める。
「過去の自分を振り返る人、今の自分をかさねる人…だから読者層も幅広いんだけどさ」
ともえは笑顔で煙草を吸う。
「今高校生のあきらが感じたものと、大人になって読み返したときに感じるものはきっと違うと思うよ。」
あきらは、ともえをじっと見つめ、口を開く。
「苦しさも…?」
ん? と、ともえは横に煙を吐きながらあきらを見る。
「苦しかったり、つらいと感じるのも、時間が経てば変わるの…?」
伏し目がちになりながら、あきらはともえに問いかける。
ともえは、あきらをじっと見つめ少し沈黙したあと、変わると思う、と答える。
煙草を灰皿に押し付ける。
「今はつらいだけの気持ちも、大人になると懐かしくって愛おしいものに変わるんだよ。」
「今はそれがわからなくても…」
煙草を片手にあきらに笑いかける近藤を思い出すあきら。
ともえに向けていた視線をそらして口を開く。
「大人ってみんなそう言う。」
再び小説に視線を投じ、ページをめくる。
そのあきらの様子を見て、ともえは、くすっ、と笑う。
![恋は雨上がりのように第66話 あきらとともえ](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_03.png)
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落ち込むユイ
ユイの自宅。
神奈川は雨が降っている。
この間貸した鞄を返して、とユイの部屋のドアをノックする姉。
返事がなく、いないのかと姉がドアを開けると、ユイはベッドの上で、体育すわりでぬいぐるみに顔を埋めている。
![恋は雨上がりのように第66話 ユイ](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_04.png)
そんなユイを見下ろし、黒の鞄を返して、と言う姉。
クローゼットの中、と力なく返事するユイ。
姉は、体調不良? と声をかけながらクローゼットを開く。
そして、コートに目を止める。
フリルもリボンも無いコートを見て、あんたらしくないじゃん、今度貸して、と笑顔の姉。
ユイはぬいぐるみに顔を埋めたまま黙っている。
きいてる? と姉は問うが、すぐにクローゼットを漁る。
「カンジ悪ぅ~ えーとカバンカバン… あった。」
見つけた鞄の隣に置かれたプレゼントらしき包みを発見する。
![恋は雨上がりのように第66話 プレゼント](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_05.png)
はーん、と何かを悟った様子の姉は、ユイの名前を呼ぶ。
二度目の呼びかけに、何、と返事したユイ。
「あんたさぁ、美容師になりたいんだよねぇ?」
姉は、ユイをじっと見つめる。
やはり変わらず人形に顔を埋めたまま、そうだけど、と返すユイ。
「だったら失恋ごときでいつまでもクヨクヨすんな!」
ユイは姉の言葉にピク、と反応する。
姉は、美容院は髪型を変えるだけではなく、心機一転やキレイになりたいといった”元気をもらう場所”でもあると言う。
元気をつくるのは美容師の仕事で、つらいことがあっても客を笑顔にさせるのだ、と続ける。
「今のあんたに元気をつくれる?」
フリルもリボンも無いコート。ヘアクセサリー。
「美容師にとって個性はすごく大事。誰かになろうなんて思わないで。」
「あんたは十分、魅力的なんだから。」
![恋は雨上がりのように第66話 ユイ姉](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_06.png)
姉はユイに向けてそれだけ言った後、ユイの部屋を後にする。
ドアが閉まって、ぬいぐるみから顔を離すユイ。
雨の音が響いている。
浮かない表情のユイは左手で目元を覆う。
「……ッ。」
頬を伝う涙。
![恋は雨上がりのように第66話 ユイ](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_07.png)
ユイは顔を覆っていた左手をゆっくりと下ろし、前を見据える。
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あきらに報告
ガーデン。
久保が、ユイが遅い、と不機嫌になっている。
その傍らでトレイを持っていたあきらは、ユイに送ったメッセの既読がつかなかったことを思う。
キッチンにいる吉澤も久保のボヤキに気づき、神妙な面持ちになる。
おつかれさまです、と現れたユイの髪は短くなっている。
![恋は雨上がりのように第66話 ユイ](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_08.png)
そのユイの様子に驚くあきら。
キッチンであきらたちとは離れたところで吉澤が焦る。
久保は、すっきりしていいじゃない、でも遅刻はダメよ、と笑顔でユイを迎える。
姉に切ってもらった、変かな、というユイにすごく似合ってる、でもどうして、とあきら。
ユイは少し考えて、あきらをバックヤードに連れ出す。
バックヤードにやってきたあきらとユイ。
ユイがえっとー、と切り出す。
「日曜日の告白、フラれちゃいました!」
ユイを見つめるあきら。
ユイは後頭部に右手を当ててへへっ、と笑って見せる。
「それでまぁ、ベタに髪切ったんだけど――…」
髪を指先でいじるユイ。
「美容師さんってすごいね! 本当に元気になっちゃった!」
あきらは、何と声をかけていいか分からない様子じっとユイの顔を見て話を聞いている。
![恋は雨上がりのように第66話 あきら](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_09.png)
そんなあきらに向けて、ユイは握りしめた両手の拳を自分の顔の高さに上げて満面の笑みを見せる。
「あたし、ぜーったいに、美容師になるんだ!」
![恋は雨上がりのように第66話 ユイ](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/66_10.png)
あきらはユイの笑顔をじっと見つめる。
微笑を浮かべ、うん、と返事をする。
そのヘアピンも似合ってるね、と続けてユイに声をかけるあきら。
あたしっぽいでしょ、といつもの笑顔で返すユイ。
『波の窓辺』の一節が会話している二人にオーバーラップする。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
いくら考えあぐねても、『そうなってしまった』と言うほか答えはない。
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感想
ユイ……。(´;ω;`)
やはり泣いちゃうよなぁ。振られて少し時間が経ってもこれほど落ち込んでいたとは……。
振られた当日、そして翌日はどのくらい泣ちゃったんだろう。
考えると辛い……。
こんな良い子を泣かしてしまうなんて、吉澤はなんて罪な野郎なんだ……。
しかし、今回ちょっとしか出て来なかったけど、あきらを好きだという気持ちを曲げなかった吉澤は正直大したもんだと思う。
全然あきらから自分に好意が向いてないことに気づいてないわけじゃないだろうけど、それでも自分に嘘をつけないんだな。
吉澤の置かれた状況下であれば、俺だったらユイの告白をOKしてしまうかもしれん……。
だって滅多に無いし、勿体ない(笑)。
だって吉澤はユイに好意が無いわけじゃないだろうから、全然付き合えるはず。
ただ、それでもあきらに対する想いを断ち切ることはできないんだろうな。
そしたらそれはユイをとても傷付ける。
それだけじゃなく、あきらとユイの仲さえも引き裂いてしまうかもしれない。
吉澤は誠実であろうとした。
結果的に、ユイに負わせた心の傷も最小限だったと言えるのではないだろうか。
それに、振る方だって辛いしね。
ユイは良い恋、経験をしたんだと思う。
一生懸命吉澤にアプローチした。
振られて落ち込んだけど、姉に励まされた。
美容師がより自分にとって憧れの職業になった。
うん。成長したよ。(´;ω;`)
そして、あきらはどうするのか。
近藤は既に買ってしまったとはいえ、編んだマフラーを渡さないのか?
高校駅伝は12月の大体20日~28日くらいの間に行われる。
もうクリスマスは過ぎてるわけで、とりあえずもうあきらの中にクリスマスを近藤と距離を詰めるための機会にしようという考えはなくなっていると考えられる。
次の機会は正月の初詣か?
ユイの告白編が終わって、次に来る話の予測がつかない。
案外、ユイを降った吉澤が、その後元気に働く様子を見てユイが気になって惚れてしまって……みたいな展開にならないだろうか。
以前、吉澤の祖父母の家にユイを連れて行った時、ユイの笑顔にこんなリアクションをとって、胸をドキドキさせていた描写があった。
![恋は雨上がりのように44話 吉澤](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/03/44_18.png)
そんな自分に戸惑う様子が、吉澤があきらからユイへと気持ちが向き始めていた証拠かなと思っていたんだけど……。
次回は久々に、近藤とあきらが中心になる話を期待したいなぁ。
以上、恋は雨上がりのように第66話のネタバレ感想と考察でした。
次回67話の詳細は以下をクリックしてくださいね。
![](https://xn--p8jl8gkd6mma8251dul8ave4h.biz/wp-content/uploads/2017/06/67_06.png)
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