第34話
文化祭当日、あきらの組の出し物であるお化け屋敷の前に来たユイ。幽霊役のあきらが出番を待つ間、ユイはあきらとベランダで好きな人がいる? と恋愛話を始める。
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恋に効くキーホルダー
続けて、そのあと友達としてのハグと言い訳されたことを思い出して眉をしかめる。
あきら、と呼ぶ声。
なんでこんなのつけてるの? と友達があきらの鞄をもって、あきらにキーホルダーをつけている理由を問う。
あきらは文化祭の準備で、お化け屋敷の看板に色をつけていた。
友達は、これ小2の妹も持ってる、何かジンクスがあるだって、と言い、ジンクスが何か思い出そうとしている。
「好きな人と仲良く…? なれるとかなんとか。」あきらが頬を染めている。
子供だましですな――かわいい、と笑う一緒に看板を塗っていた友達。
鞄をもう一人の友達から取り戻してバイトに行くからお先! とあきらは慌ててその場を去る。
おまじないを信じているというのと小学生の間で流行ってることのダブルパンチで恥ずかしいということなのか(笑)。
そこは普段から無表情が多いあきらのギャップで魅力がアップする要素なんだよなー。
働きながら、今度の姿を目で追っているあきら。
「お待たせしました。」
「イタリアンハンバーグのお客様。」
近藤は笑顔で客のテーブルにハンバーグを運んでいる。
「ご注文の品はお揃いでしょうか。どうぞごゆっくり。」
あきらは、少し離れたところから近藤をじっと見ている。
夜。
「店長。」
バイトを終えたあきらがPCを操作している近藤に話しかける。
振り向く近藤とあきらの目が合う。
「あ…あの…」頬を紅潮させて話を切り出しづらそうなあきら。
「?」不思議そうにあきらを見上げている近藤。
「……」あきらは黙ってしまい、お疲れ様です! と一礼し、会話を打ち切ってしまう。
近藤はあきらに、うん! おつかれさん! と能天気な笑顔で挨拶を返す。
元住吉駅から帰りの電車内。座席に座っているあきらは鞄につけている恋に効くキーホルダーを指でビシ、と弾く。
キーホルダーが効いてる場面を見たことがない(笑)。
おまじないを信じてる、というより信じたいあきらがかわいいと思う。
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文化祭当日
風見祭と銘打った看板が入り口に設置されていて、外からの客で賑わっている。
「あきらちゃーん。来たよーん♪」ユイが満面の笑みを浮かべて手を振っている。
「ようこそ…」あきらは幽霊の恰好でユイを出迎える。
あきらの組みの教室はお化け屋敷に改装されている。
客の悲鳴が中から響く。
その教室の前でユイは、似合うーッ!!とあきらの恰好にウケている。
似合いすぎ。暗いとこでみたら怖いかも。でもかわいいわー。
二人の友達はすぐに山本先輩の元へと駆けていく。
あきらは、山本先輩…と二人を目で追う。
ユイがあきらに吉澤の居場所を問う。
あきらが吉澤? うん いるよ。と答えると背後の教室の入り口に張られた暗幕をよけて西田さんじゃん!!、と吉澤が出て来る。
わらわら集まって来る吉澤の友達。
吉澤のカノジョ~? とからかってくる友達に、吉澤はあきらの前だと意識して、ただのバイト仲間だよ、と語気強く答える。
ただのバイト仲間でーす…と笑顔を作りながらもローテンションのユイ。
ん? いや、ちげーなと吉澤が首を捻る。
「西田さんは、オレの専属カリスマ美容師さんだ!!」
吉澤の友達があ―――あなたがこの前髪を…と興味深げにユイに視線を注いでいる。
思わぬ紹介にユイの目が輝き、頬が紅潮していく。
ユイはえへへぇ…と照れながら笑顔で頭をかく。あきらはユイの様子を見て微笑を浮かべる。
ユイはもちろんだけど、あきらも嬉しそうなのがいい。
ユイが吉澤のことが気になってるのを知ってるから、ユイが喜んでるのは嬉しいだろうな。
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そう切り出したのはユイ。
ベランダであきらとユイが二人、柵側で外の景色を見ている。
ジュースを飲んでいたあきらが、えッ…好きな人…!? と驚く。
いる? と目を合わせてユイがあきらに問う。
あきらは照れながら、か細い声で、い…いる…、と答える。
エ――――!! それって学校の人!? と大きなリアクションで驚くユイ。思わずパックのジュースを握り潰す。
ビクッとなったあきらはユイに、声が大きい、と人差し指を立ててしーっとするしぐさをする。
ごめん! 学校の人にバレちゃうもんね! とユイもあきらと同じくしーっという仕草をする。
あきらも好きな人がいるんだ、と笑顔のユイ。
告白とかしないの? と冗談半分で聞いたユイに、あきらは、もうした、と即答する。
ユイの目が点になる。
「エ―――――――――ッ」
大きなリアクションをするユイを見ず、頬を紅潮させたあきらはジュースを飲む。
あきらって素直で正直だと思う。
ユイを信用してるからってことも大きいだろうけど。
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あきらは、一度映画デートして、部屋におじゃまして、メールもちょこっとしてて、友達と言われた、と正直に言う。
ユイは目が点になったまま、ん? と言う表情になる。
なんかさ――それっておかしくない? とあきらの目を見て問いかけるユイ。
え…と反応するあきらに、ユイは、それはもつきあってるようなもんじゃん! と指摘する。
「それなのに”友達”って…その人あきらちゃんのことキープしてるみたい!」ユイは不愉快そうな表情を浮かべる。
キープ…、とユイの発した単語を自ら復唱し、あきらは、ず~~~んと落ち込む。
相手が店長だとは言えないよね。
もし店長だと知ったらキープだとは疑わないんじゃないだろうか……(笑)。
「あ、うん。」あきらは無表情で吉澤に答える。「今 行く。」
よろしく!、と言って去っていく吉澤。去り際に見せたあきらを見て頬を赤くしている様子にユイが気づく。
あのさ、とユイがあきらに話を切り出す。
「もしかしたら身近に…あきらちゃんのことをずっと想っている人がいるかもしれないよ…?」
「その人の気持ちを受け入れれば、こんな風に片思いにモヤモヤしたり、苦しくなったりつらくなったりって、しないかもしれない…」
「……」それだけ言って、ユイが浮かない表情をする。
「そんなのやだな。」あきらが答える。
「本当に好きな人がいるのに、あきらめて別の人のところへ行くなんて…あたしは考えられない。」
それにそれって相手にも悪いと思うし…、と言葉が続くのを聞いて、ユイは少しの間のあと、うん…、と言う。
ごめん! そーだよね! あたし変なこと言ったね! 忘れて! とユイはいつものテンションに戻る。
ユイは吉澤があきらのことを好きなのを薄々気づいているように思う。
しかしあきらは近藤がたまらなく好き。なかなかうまくいかない。
幽霊の恰好をしたクラスメートが来る。振り向いては――――い、と答えるあきら。
ユイにまたあとでね、と言い残してあきらがお化け屋敷に向かう。
ベランダに一人残されたユイ。
「何かが代わりになっちゃうなら、それは本当に好きって言えないよね…」
「よし! あたしもがんばろー!」ユイが天を仰ぎ、拳を突き出す。
井戸を模した作り物に潜むあきら。
井戸の近くを学生の客が通る。
キャ――――――ッと悲鳴が響く。
青春真っ盛りといった風情の話。
ユイの最後の言葉はなかなか重い言葉のように思う。
以上、恋は雨上がりのように34話のネタバレ感想と考察でした。
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