第36話
植物園をいっしょにまわることになったあきら組と加瀬組。温室ルームで光を求めた結果、奇妙に曲がって伸びている木を見つける。その木になぞらえて加瀬があきらに声をかける。
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植物園を一緒にまわることに
たたたっと噴水前を横切って近藤達のもとへ行く。
「『ガーデン』の店長やってます。近藤です。」近藤が手を頭にあてて挨拶する。
「亮ちゃんがいつもお世話になっております。姉の加瀬珠子と申しますぅ~」笑顔で挨拶する珠子。
偶然でビックリした、と近藤が言い、ご挨拶出来て良かった、と珠子が返す。
加瀬とあきらはハイテンションな二人とは対照的に黙って座っている。
「橘さんとも偶然会うし、すごい日だね!」近藤があきらを手で示す。
眉月じゅん先生が話数の合間の白紙ページに描いているように、近藤と珠子の波長は似てると思う。
平和そのもの。
近藤の来ているトレーナーに気づく。
(なんでオッサンってこういうトレーナー着るんだろ…クソダセェ…)
まさかこれがフリになろうとは……。
「俺たちも行こうぜ」加瀬が立ち上がる。
あ、そーだあ、と珠子が何かを閃いた様子で手を打つ。
「せっかくだから、皆でまわりません? この偶然も何かの縁だし」
ハァ? と珠子を見る加瀬。
温室ルーム内に入った一行は受付で上着を預ける。
(なんでこうなるんだ…)と加瀬が不思議がっている。
わぁっ! ジャングルだーッ! と勇斗が驚いている。
本当だあったかいなァと近藤がシャツの襟を動かしている。
(あの変なトレーナー脱いでる…)加瀬がシャツ姿の近藤を見ている。
すごーいと喜んでいる珠子。 わぁーと歩いているとつまづく。あぶねぇなあと珠子の腕を掴む加瀬。珠子はごめんとあやまる。
加瀬は、気をつけろよ、と珠子に声をかける。大丈夫大丈夫~、と先を行く珠子。
何もないところでも割とつまづく珠子。さりげなくフォローする加瀬がかっこいい。
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お父さんこっち、と勇斗が近藤を呼ぶ。声の聞こえた方を向く二人。
勇斗が冷風が出る機械を指さしている。
観覧客用のオアシスかな、と近藤が言う。
ハァー極楽、と近藤が気持ちよさそうに冷風を浴びている。あきらもまた、近藤と同じように冷風を浴びている。
あたしもーと走って来る珠子。コケんなよと珠子の背後から加瀬が声をかける。
冷風を浴びている近藤とあきらの列に珠子が加わる。
仲が良くて何より。
光を求めて伸びる木
他のは真っ直ぐなのに、と問う勇斗に近藤が光を探した結果だと答える。
近藤は、先は真っ直ぐ太陽の方に伸びている、暗い所に居たら明るいところに出たくなるだろ、と勇斗の頭に手を乗せる。
ふぅんと理解する勇斗。じゃあコイツ、光見つけたからまっすぐ伸びる? と近藤に問う勇斗に、近藤は伸びる伸びると答える。
その会話を聞いて、なんかイイハナシ~、写メっとこー、あたしも失恋なんかに負けない、とテンションが上がる珠子。
姉の言葉を黙って聞いている加瀬。
「まるで君みたいだね」
加瀬が、あきらの横を通りすがりざまに言う。
背後から加瀬をキッと見ているあきら。
買ったばかりのムキ彦キーホルダーがかかっているバッグの持ち手をギュッと握って歩き出す。
度重なるあきらへの挑発。
加瀬の一面を知るあきら
近藤は勇斗のトイレに、珠子は飲み物を買いに行き、その場にあきらと加瀬が残される。
「加瀬さん、お姉さんとあんまり似てないんですね。」
あきらの言葉に反応し、視線を向ける加瀬。
「血ィつながってないからね。」
「えっ!」驚くあきら。
「すみません…」すぐさまあやまる。
加瀬はハッ、と下を見ながら笑う。
「別に謝んなくても…」
一瞬の沈黙。
「光を見つけたって、誰しもがそこへ向かっていけるとは限らないよな…」
先ほど見た木の話になぞらえたような発言をする加瀬。
下を見ていた加瀬が正面に何かを見つけて笑みを浮かべる。
あきらは加瀬の視線を追う。
そこには、両手に飲み物を持って走って向かってくる珠子。
あきらは横目で加瀬を見ている。
あきらは加瀬の姉への想いに薄々と気づいたのではないか。
戸籍という乗り越えることができない壁。何より珠子は加瀬のことを弟だとしか思っていない。
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加瀬とあきらがエ? と驚いていると珠子の持ってきた飲み物の中身が加瀬めがけて飛んでいく。
本当にごめんなさい! お洋服お借りしちゃって~、と近藤に謝っている珠子。
いやぁ、もう帰るだけですから、車ですし、と笑顔の近藤。
クリーニングしてお返しします、と言っている珠子。
ダサイと評していた近藤のトレーナーを着る羽目になった加瀬は死にたい…と青ざめている。
同じ方向だから車乗って行きます? と提案する近藤に、そこまでお世話になるわけには、と遠慮する珠子。
ショックを受ける加瀬。
「店長!! 是非乗せてってください!!!」こんなカッコで電車に乗れるかよッと必死の加瀬。
「うん。いーよー。」とあっけらかんと了承する近藤。加瀬の必死な様子を亮ちゃん…と見つめる珠子。
加瀬が慌てる様が続いて加瀬の好感度が上がっていく。
あきらの邪魔をする嫌なヤツのポジションを脱した瞬間。
珠子は曲がった木の写メをスマホの待ち受けにしている。
何から何までお世話になってすみません、と笑顔の珠子。いえいえ、と笑顔で返す近藤。
助手席の加瀬は外を見ている。その加瀬を後部座席から見つめるあきら。
「亮ちゃんを今後ともよろしくお願いいたしますぅ~~~」珠子が近藤に言う。
加瀬はその言葉を聞いてため息をついてみせる。
車内に響く近藤と珠子のハハハハハ、うふふふふという笑い声。
加瀬を見ていたあきらは外の景色に視線を移す。
車が走っていく。
加瀬の一面を知ったあきら。果たして今後の二人の関わりはどうなっていくのか。
以上、恋は雨上がりのように36話のネタバレ感想と考察でした。
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